多嚢胞性卵巣症候群 症状と治療 妊活は?

❚多嚢胞卵巣症候群とは

卵巣にはたくさんの卵細胞があり、月に平均1つずつ成熟し排卵します。

卵細胞は卵胞と呼ばれる袋に包まれていて、卵胞は およそ2cmくらいに 成熟すると破裂して卵細胞は卵巣の外に排出されます。これを排卵と言います。

多嚢胞性卵巣症候群とは卵巣内に出来た卵胞が成長しても破裂しないため排卵が起こりにくく、たくさんの卵胞が卵巣の壁にくっついて厚くなってしまう病態のことを言います。
正常な排卵が行われない排卵障害として、不妊症の大きな原因のひとつになっています。

 

英語では「polycystic ovary syndrome」という病名でその頭文字をとって、PCOSまたはPCOと呼ばれます。

❚多嚢胞性卵巣症候群によくみられる症状

1)排卵が起こりにくいので月経不順。周期が長い(35日以上)・無月経)
2)黄体ホルモン分泌不全により出血量が多い。
3)男性ホルモン(テストステロン)は卵胞中で作られるので卵巣中に卵胞が多いとその分血液中に分泌される男性ホルモンの量も多くなる。

・ニキビが多い

・体毛が濃い

・声が低い

・抜け毛が多い・脱毛・ふけが多い

などの特徴がみられる。

 

4)家族に糖尿病の人が多い。
5)脂性肌。体重増加。痩せにくく、特にお腹周りに脂肪が多い。
6)肥満の人は血液中のインスリン濃度が高いというその濃度を下げようとする働きにより排卵機能が低下してしまう。

7)排卵障害が起こっているので不妊の原因となる。

❚多嚢胞卵胞症候群の原因

現在原因ははっきりとしていないが

・黄体化ホルモン(LH)の増加により卵胞刺激ホルモン(FSH)とのバランスの不均衡が起こり卵胞が上手く発育しなくなる。排卵できないと、この黄体化ホルモンの量がより増加し状態が悪化する。

 

・インスリンの量が増加して糖質代謝異常が起こり、男性ホルモンが増加すると考えられている。

❚病院ではどのようなことをするのでしょう?

血液検査やホルモン負荷検査・エコー・腹腔鏡下での細胞診などを行い、主に排卵誘発剤を使用しての服薬や注射により治療が行われます。

卵巣の表面に小さな穴をいくつか開けて排卵を促す腹腔鏡下が行われる場合もあります。

 

妊娠を希望されていない人にはピルやホルモン剤、インスリンの量を減少させるお薬が使われます。

❚鍼灸治療で出来ること

自律神経の調整を図り交感神経の働きを抑え、ホルモンバランスを正常に戻します。

多嚢胞卵巣症候群の人は水分代謝が上手くできない傾向にある人が多いのでむくみや利尿を目的とする治療も行います。

同時に糖尿病に対するアプローチを応用した治療も行います。

妊活中の方には同様の治療を行うと月経周期が整い、同時に生命力の強化も行い妊娠へと導きます。

 

スウェーデンの大学における研究により

 

平均30歳の多嚢胞性卵巣症の女性患者9名に、16週にわたって14回にわたる鍼灸の治療を行った結果

・月経周期が正常に戻った

・テストステロン(男性ホルモン)が減少した

・腹囲が減少(BMIや体重は減少せず)したという効果が現れました。

❚鍼灸治療は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の治療や予防につながります

排卵誘発剤の刺激により卵巣の腫れやその他の不快症状を引き起こすようになることを卵巣過剰刺激症候群と言います。体外受精に通常より多くの時間を要したり、重症化により不妊治療をやめざるを得なくなります。

鍼灸治療により正常なホルモンバランスを取り戻すことが出来れば、排卵誘発剤の使用を減らすことが出来、卵巣過剰刺激症候群への治療や予防につながります。