無排卵月経とは
一定の周期で生理が来るけれど排卵ができていない場合のことをさします。
月経不順であることも多く月経周期が50日以上の月経では30%、月経周期が20日未満の月経では60%は無排卵月経であろうと言われています。正常な月経と発生の機序が違うので少量の出血がダラダラと続く状態になります。
無排卵月経の特徴は?
無排卵月経は多くの女性が経験する可能性のある症状ですが、自覚しにくいという特徴があります。次のような症状や状況に当てはまる場合は、無排卵月経の可能性を考えてみましょう。
自覚症状がほとんどない
無排卵月経の最大の特徴は、自覚症状がないことです。毎月規則的に生理が来ていても、実際には排卵していない場合があります。排卵の有無は基礎体温の測定や医師による検査でしか確認できないため、知らず知らずのうちに無排卵状態が続いているケースも少なくありません。
また、生理だと思っていた出血が実は不正出血で、排卵も起こっていなかったということもあります。このようなケースでは、ホルモンバランスの乱れが根本的な原因となっていることが多いです。
経血量の異常
無排卵月経では、経血量に以下のような変化が現れることがあります:
- 少量の出血がだらだらと長期間続く
- ナプキンがほとんど汚れないほど経血量が少ない
- 逆に経血量が異常に多く、頻繁にナプキンを交換する必要がある
経血の色や質感についても注意が必要です。茶色っぽいカス状の経血や、レバーのようにドロッとした塊が多く出る場合は、医師に相談することをお勧めします。
月経周期の乱れ
正常な月経周期は25〜38日間とされています。この範囲を大きく外れる場合は、排卵に問題がある可能性があります:
- 月経周期が異常に短い、または長い
- 1ヶ月に2回生理が来る
- 2ヶ月以上生理が来ない
- 月経周期が毎回バラバラで予測できない
これらの症状は、排卵をコントロールする女性ホルモンのバランスが崩れていることを示している可能性があります。
不正出血の存在
月経期間以外に起こる出血も、無排卵月経の兆候の一つです。明らかな赤い出血だけでなく、おりものが黄色や茶色っぽくなっている場合も不正出血の可能性があります。
ただし、排卵時の軽微な出血や妊娠初期の着床出血など、生理的な出血もあるため、気になる出血があった場合は早めに医師に相談しましょう。
妊娠しない状態が続く
妊娠を希望しているカップルが避妊せずに1年以上経っても妊娠しない場合、無排卵による不妊の可能性があります。規則的に生理が来ていても排卵していないケースもあるため、妊娠を希望する方は基礎体温の測定を始めることをお勧めします。
正常な排卵がある場合、基礎体温は低温期と高温期の二相性を示しますが、無排卵の場合は低温期のみの一相性になることがほとんどです。無排卵状態を放置すると、さらなる不妊の原因となる可能性があるため、早期の対応が重要です。

これらの症状に心当たりがある方は、一人で悩まずに婦人科を受診し、適切な検査と治療を受けることをお勧めします。
排卵検査薬で調べて陽性がでたら無排卵月経ではない?
排卵検査薬でわかるのは、性腺刺激ホルモンのうち、LH(黄体形成ホルモン)が出ているかどうかです。
排卵検査薬でLHサージが確認できれば、その後に排卵が起きますので、間接的に排卵を知ることができます。
もちろん排卵検査薬が全く陽性にならないからと理由で無排卵に気づくこともありますがまれにLHサージは確認できるのに排卵が起こらないというパターンもあります。排卵検査薬で無排卵かどうかを調べるのは不向きです。
基礎体温をつけて調べる方が無排卵を知るのに効果的です。
基礎体温をつけなくてよいという病院もありますがそれは病院では卵胞チェックが行えるからです。
セルフチェックとなると基礎体温がベストです。
基礎体温は面倒ですが自分の身体のことを知り、体調に合わせたスケジュールが立てられるなどメリットもたくさんあります。
3か月間だけでも測って記録することをお勧めします。

無排卵月経の原因は?
ホルモン分泌の命令を下す視床下部や甲状腺機能の異常(ストレスによる影響を大きく受ける器官)、多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症、甲状腺機能低下症・痩せすぎ・太りすぎ、喫煙、思春期・更年期のホルモンのアンバランスにより起こります。
エストロゲンの不足により排卵を起こすLHサージという働きが起きないためにプロゲステロンが分泌されず、排卵時にガクンと体温が下がらなかったり、高温期の体温があがらなかったりという現象が起こります。
病院ではどのような治療が行われるのでしょう?
排卵誘発剤(妊娠を希望の場合)やピルによる薬物療法が主に行われます。
更年期による生理的原因のもので深刻な症状がなければ経過観察をいう方法もあります。
無排卵月経に対して鍼灸で出来ること
ストレスによるもの・エネルギー不足によるものなのかを細かく調べてそれぞれに対処していきます。
不妊治療の鍼灸とも通ずる部分が多く、子宮や卵巣の血流を上げる西洋医学的な方法も織り交ぜて施術いたします。
ご自身でも行っていただきたいのは
・ウォーキングなどの軽い運動
・食生活の見直し(栄養のバランスよく食べ、炭水化物の取りすぎに気を付ける。食べ過ぎない)
・自律神経を整えるために睡眠をしっかりとる、お風呂に浸かる
閉経が近くなると無排卵の周期が時々訪れるようになります。
妊活・不妊治療中の方はとにかく卵巣に血液をしっかり届けて質の良い卵子を作り正しく排卵できること第一に考えてやっていきましょう。
過去に何人も不妊治療中の方に無排卵周期がありましたが、これまでの経験上その後出産されている方も多いので不安な気持ちも受け入れつつ次周期にむけて頑張っていきましょう!
当院では鍼灸施術のみならずセルフケアの提案もさせていただいています。
気になる症状がありましたら是非お気軽にLINEにてご相談ください。
