
帝王切開の後におこる症状について
帝王切開を受けた後に生理がいつもより長く続くようになったら、もしかすると瘢痕症候群と言って後の妊活や不妊治療に影響するかもしれません。
帝王切開術後瘢痕症候群(ていおうせっかいじゅつごはんこんしょうこうぐん)とは
帝王切開の手術をしたときにできた傷が、うまく治らずに子宮の壁が薄くなったり、中に血液や液体がたまってしまったりすることです。この傷のせいで、生理が終わっても少量の出血が続き、それが原因で妊娠しにくくなることがあります。帝王切開の手術をする人が増えているため、この病気も増加傾向にあります。

帝王切開後瘢痕症候群になりやすい人は次のような特徴があります
- 妊娠中に糖尿病になった人
- 帝王切開を何2回以上受けた人
- 太っている人
- 子宮口開大後に緊急で帝王切開をした人
- 子宮後屈がある人
帝王切開後瘢痕症候群で見られる症状
- 生理が8日以上続いたり、不正出血がおこる
- 不妊(子宮にたまった血液が邪魔をして子宮体部に流れ込み着床の妨げになるため)
でも、もし赤ちゃんを望んでいなかったり、生理の量が多くなるといった特別な問題がなければ、治療は必要ないこともあります。
診断方法
超音波検査やMRIなどで子宮の中を詳しく調べます。子宮に生理食塩水を入れて、中を広げてから超音波で見るのが一番簡単な方法です。
治療方法
手術がすすめられることが多いです。
程度により子宮鏡、腹腔鏡 や開腹手術が行われます。
帝王切開瘢痕症候群 鍼灸でできること
帝王切開瘢痕症候群に対する鍼灸の役割
鍼灸は直接的に瘢痕(傷)を治すことはできませんが、この症状に対して補助的な治療として使われることがあります。
特に次の妊活・不妊治療にスムーズに進むには大いに役立ちます。

鍼灸で期待できる効果は次のようなものです。
- 血流の改善
これまでの研究により鍼やお灸によって子宮の血流量を上げることができることがわかっています。瘢痕周辺の血行が良くなることで、子宮の回復や痛みの軽減につながることがあります。 - 痛みの軽減
瘢痕や周辺部位に痛みがある場合、鍼灸によって痛みが和らぐことがあります。鍼灸には痛みを軽減する効果があるとされているからです。 - ホルモンバランスの調整
鍼灸は自律神経やホルモンのバランスに作用すると考えられています。不規則な生理周期やホルモンの乱れを整えることで、症状の改善を助ける場合があります。 - 不安やストレス緩和
帝王切開瘢痕症候群による不安やストレスも体に影響を与えます。鍼灸治療はリラックス効果があり、心身のストレスを軽減するのに役立つことがあります。 - 身体全体のケア
鍼灸は症状そのものだけでなく、全身のバランスを整える治療法です。体調を整えることで、免疫力や自然治癒力を高め、症状の改善をサポートすることが期待されます。
ただし、鍼灸はあくまで補助的な治療であり、帝王切開瘢痕症候群そのものを根本的に治すためには、医師による診断と治療が必要です。