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高プロラクチン血症

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高プロラクチン血症とは

血液中のプロラクチンというホルモンが正常値より高くなった状態のことをさします。プロラクチンは本来、妊娠・授乳期に母乳を作るために分泌されるホルモンですが、妊娠していない時や授乳していない時に高くなると、生理不順や不妊の原因となります。女性では15ng/ml以上、男性では20ng/ml以上が異常値とされ、特に女性の不妊症の原因として注目されています。軽度の上昇から重度の上昇まで幅広く、症状の程度も様々です。

高プロラクチン血症の特徴は?

高プロラクチン血症は多くの女性が経験する可能性のあるホルモン異常ですが、症状に気づきにくいことも多い病気です。次のような症状や状況に当てはまる場合は、高プロラクチン血症の可能性を考えてみましょう。

生理不順・生理が止まる

高プロラクチン血症の最も代表的な症状は、生理に関する異常です。以下のような変化が現れることがあります

  • 生理が来ない(無月経)
  • 生理の周期がバラバラ
  • 生理の間隔が長くなる(35日以上)
  • 生理の量が少なくなる
  • 生理が短期間で終わってしまう

プロラクチンが高いと、排卵をコントロールするホルモンの働きが抑えられてしまい、正常な生理周期が乱れます。特に重度の場合は完全に生理が止まってしまうこともあります。

妊娠していないのに母乳が出る

妊娠・授乳していないのに乳首から分泌物が出る症状を「乳汁漏出症」と呼びます:

  • 乳首を軽く押すと白っぽい液体が出る
  • 下着に分泌物が付く
  • 片方または両方の乳房から出る
  • 透明から白色、時には黄色っぽい分泌物

この症状は高プロラクチン血症の特徴的な症状の一つで、プロラクチンの値が高いほど分泌量も多くなる傾向があります。

妊娠しない

高プロラクチン血症は不妊の大きな原因の一つです。授乳時期に出るホルモンで、子宮を収縮させる作用があるからです。

  • 避妊せずに1年以上経っても妊娠しない
  • 基礎体温が一相性(排卵していない)
  • 排卵検査薬が陽性にならない
  • 過去に妊娠したことがあるのに、その後妊娠しない

プロラクチンが高いと排卵が起こりにくくなったり、全く排卵しなくなったりするため、妊娠が困難になります。

その他のホルモン関連症状

プロラクチンの影響で以下のような症状が現れることもあります:

  • 性欲の低下
  • 膣の乾燥感
  • 性交痛
  • 骨密度の低下(長期間続く場合)
  • 体重増加

これらの症状は、プロラクチンが他の女性ホルモンの働きを抑制することで起こります。

頭痛や視野の異常

プロラクチンを分泌する下垂体に腫瘍(プロラクチノーマ)がある場合、以下の症状が現れることがあります:

  • 頭痛(特に朝方や持続的な痛み)
  • 視野が狭くなる
  • 物が二重に見える
  • 目がかすむ

これらの症状は腫瘍が大きくなって周囲の組織を圧迫することで起こります。特に視野の異常は重要な症状なので、気になる場合は早急に医師に相談しましょう。

精神的な症状

ホルモンバランスの乱れにより、以下のような症状が現れることもあります

  • 気分の落ち込み
  • イライラしやすい
  • 不安感
  • 集中力の低下
  • 疲れやすさ

これらの症状は生理不順や不妊の悩みと合わせて、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

皮膚の症状

長期間高プロラクチン血症が続くと、以下のような皮膚の変化が現れることがあります

  • 肌の乾燥
  • 毛深くなる
  • ニキビが増える

これらの症状に心当たりがある方は、早めに婦人科や内分泌科を受診し、血液検査を受けることをお勧めします。

高プロラクチン血症の原因は?

高プロラクチン血症の原因は大きく分けて3つあります。

下垂体の腫瘍(プロラクチノーマ)

最も多い原因で、下垂体にできる良性の腫瘍がプロラクチンを過剰に分泌します。腫瘍の大きさにより症状の程度が異なり、小さなものは薬物治療で改善することが多いです。

薬の副作用

以下のような薬がプロラクチンを上昇させることがあります

  • 精神科の薬(抗うつ薬、抗精神病薬)
  • 胃腸薬(ドンペリドンなど)
  • 高血圧の薬
  • 吐き気止めの薬

これらの薬を服用している場合は、医師に相談して薬の調整を検討する必要があります。

その他の原因

  • 甲状腺機能低下症
  • 肝臓や腎臓の病気
  • ストレス
  • 過度な運動
  • 胸部の刺激や外傷
  • 多嚢胞性卵巣症候群

原因不明の場合も約10~20%存在します。

病院ではどのような治療が行われるのでしょう?

高プロラクチン血症の治療は、原因と症状の程度に応じて決定されます。

薬での治療

  • ドパミン作動薬(カベルゴリン、ブロモクリプチンなど):プロラクチンの分泌を抑える
  • 甲状腺ホルモン薬:甲状腺機能低下症が原因の場合
  • 原因となる薬の中止または変更

手術治療

  • 下垂体腫瘍摘出術:薬物治療で効果がない大きな腫瘍の場合
  • 経鼻的手術:鼻から内視鏡を使って行う低侵襲手術

放射線治療

  • 薬物治療や手術で効果が不十分な場合の選択肢

経過観察

  • 軽度の上昇で症状が軽い場合は定期的な検査のみ

妊娠を希望する場合は、プロラクチン値の正常化により排卵が回復し、妊娠が可能になることが多いです。

高プロラクチン血症に対して鍼灸で出来ること

高プロラクチン血症に対する鍼灸施術では、いくつかの方法で体を元気にして症状を良くしていきます。

鍼灸はどのように体に働くの?

身体の緊張をゆるめてリラックスさせる

鍼やお灸をすると、身体がリラックスモードに切り替わります。普段ストレスでピリピリしている身体の神経が落ち着いて、脳からホルモンを出している部分(下垂体)も正常に働けるようになります。これにより、プロラクチンの出すぎを抑えることができます。

脳とホルモンを作る場所のバランスを整える 身体には「ツボ」という特別な場所があります。頭のてっぺんやお腹にある特定のツボに鍼やお灸をすると、脳の奥にあるホルモンを作る工場(下垂体)に「正常に働いて」という合図が送られます。すると、プロラクチンの量が適正になりやすくなります。

血の流れを良くする 鍼やお灸をすると、血管が広がって血の流れが良くなります。特に脳や子宮、卵巣への血の流れが良くなると、ホルモンを作ったり運んだりする働きがスムーズになります。血の流れが良くなると身体全体の調子も良くなります。

身体を元気にする物質を出す 鍼灸をすると

身体の中で「ドパミン」という物質がたくさん出るようになります。このドパミンは、プロラクチンが出すぎないようにブレーキをかける大切な物質です。自然にドパミンが増えることで、プロラクチンの量が正常に戻りやすくなります。

ストレスを減らして気持ちを楽にする 鍼灸をすると、身体の中で「エンドルフィン」という気持ちを楽にする物質が出ます。これにより、ストレスが減って心も身体もリラックスできます。ストレスが減ると、プロラクチンが高くなる原因の一つがなくなるので、根本的な改善につながります。

どんな治療をするの?

一人ひとりの体質に合わせて、以下のような治療をします:

  • 疲れやすい人:腰や背中のツボで体力を回復
  • イライラしやすい人:手足や胸のツボで気持ちを落ち着ける
  • 胃腸が弱い人:お腹や足のツボで消化の力を上げる
  • 眠れない人:頭や手首のツボで心と体のバランスを整える

また、頭や耳にある特別なツボも使って、直接脳の働きを良くすることもあります。

ご自身でも行っていただきたいのは

  • ストレス管理(十分な睡眠、リラクゼーション、瞑想)
  • 適度な運動(過度な運動は避け、ウォーキングやヨガなどの軽い運動)
  • 食生活の改善(バランスの良い食事、規則正しい食事時間、ビタミンB6・亜鉛の摂取)
  • 胸部への刺激を避ける(きつい下着、強いマッサージなど)
  • 定期的な血液検査で数値をチェック
  • セルフお灸(三陰交、足三里、関元などのツボ)

高プロラクチン血症は適切な治療により改善が期待できる病気です。特に妊娠を希望される方にとっては、治療により排卵が回復し、妊娠の可能性が高まります。

これまでの経験上、高プロラクチン血症の治療を受けながら妊娠・出産された方も多くいらっしゃいます。薬物治療と並行して鍼灸治療を受けることで、薬の効果を高めたり、副作用を軽減したりする効果も期待できます。また、鍼灸治療により自然にプロラクチン値が正常化し、薬を減量できるケースもあります。

数値が正常化すれば、生理不順や不妊の問題も解決することが多いため、早期の診断と治療が重要です。気になる症状がある方は、一人で悩まずに専門医に相談することをお勧めします。

当院では鍼灸治療のみならずセルフケアの提案もさせていただいています。気になる症状がありましたら是非お気軽にLINEでご相談ください。