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ひろせはりきゅう院

妊活中・妊娠中に温泉に行っても大丈夫?



温泉

こんにちは宝塚の鍼灸院ひろせはりきゅう院です。

日本人に古くから親しまれてきた温泉。リラックス効果や血行促進など様々な健康効果がありますが、妊活中や妊娠中の方にとっては「入っても大丈夫なの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回は、妊活中・妊娠中の温泉入浴について東洋医学の観点からご説明します。

妊活中の温泉入浴について

妊活中の温泉入浴は、基本的には問題ありませんが、妊活の段階によっては避けるべき時期があります。

妊活に良い温泉の効果

  • 血行促進効果: 温泉に含まれるミネラルや温熱効果により、全身の血流が改善されます。子宮や卵巣への血流も増加し、ホルモンバランスの調整に役立ちます。
  • ストレス軽減: 温泉でリラックスすることで、ストレスホルモンの分泌が抑えられます。過度のストレスは排卵や着床に悪影響を与えることがあるため、リラックス効果は妊活中の方に特に重要です。
  • 自律神経の調整: 温かい湯に浸かることで副交感神経が優位になり、体が休息モードに入ります。これにより体内環境が整い、妊娠しやすい状態になるとされています。

妊活中に温泉を避けるべき時期

1. 排卵誘発期間中

  • 排卵誘発剤を使用している期間は、高温浴(40℃以上)は避けるべきです。
  • 体温上昇がホルモンバランスに影響を与え、排卵誘発の効果を妨げる可能性があります。
  • 卵胞の発育にも影響する可能性があるため、誘発期間中は38℃以下のぬるめの湯に短時間(10分程度)の入浴にとどめましょう。

補足:高温浴が排卵誘発を妨げる可能性のあるメカニズム

ホルモンバランスへの影響

  • 体温の過度な上昇は視床下部-下垂体-卵巣軸に影響を与え、ゴナドトロピン(FSHやLH)の分泌パターンを変化させる可能性があります。
  • 特に排卵誘発剤を使用している場合、その効果が最適に働くためのホルモン環境が乱れる恐れがあります。

卵胞発育への直接的影響

  • 高温環境による体温上昇は卵胞内の温度にも影響し、発育中の卵胞の質に影響する可能性があります。
  • 卵細胞は温度変化に敏感で、特に発育段階ではその影響を受けやすいとされています。

血流動態の変化

  • 高温浴は一時的に末梢血管を拡張させ、卵巣への血流パターンを変化させます。
  • 排卵誘発中は卵巣への適切で安定した血流が重要であり、急激な血流変化は卵胞発育の均一性に影響する可能性があります。

熱ストレス反応

  • 高温環境は身体にとってストレス因子となり、ストレスホルモン(特にコルチゾール)の分泌を増加させることがあります。
  • コルチゾールの上昇は生殖ホルモンの働きを阻害することが知られており、排卵誘発の効果を減弱させる可能性があります。

代謝変化

  • 体温上昇に伴い体内の代謝率が変化し、排卵誘発剤の代謝や吸収にも影響を与える可能性があります。
  • これにより、投与された薬剤の有効性が変化する恐れがあります。

このような理由から、排卵誘発期間中は特に40℃以上の高温浴は避け、入浴する場合も短時間にとどめることが推奨されています。ただし、これらの影響は個人差が大きく、また温浴の温度や時間にも依存します。

2. 採卵前後

  • 採卵予定の2週間前からは高温の温泉は避け、入浴時間も15分以内にしましょう。
  • 採卵後は卵巣からの出血リスクや感染リスクがあるため、通常3〜5日間は温泉入浴を控えるよう指導されます。

3. 胚移植前後

  • 移植の1週間前は子宮内膜を安定させる時期であり、急激な体温変化は避けるべきです。
  • 移植後約2週間(妊娠判定まで)は温泉入浴を控えることが一般的です。特に移植後1週間は着床の重要な時期であり、高温浴は子宮収縮を促す可能性があります。

4. 排卵日前後

  • 自然周期での妊活の場合、特に排卵日の前後1週間は、高温浴や長湯を避けた方が無難です。
  • 排卵直後は受精や着床の可能性がある時期のため、控えめな入浴を心がけましょう。

妊活中の入浴の注意点のまとめ

  • 高温の湯は避ける: 体温上昇は卵子や精子の質に影響する可能性があります。38〜40℃程度のぬるめの温泉がおすすめです。
  • 長湯を避ける: 15〜20分程度の入浴にとどめましょう。
  • 強酸性泉や硫黄泉は体質に合わせて: 肌の弱い方は刺激が強い場合があるので、短時間から試してみましょう。

平たく言うと入ってもいいけど、熱すぎると身体がストレスを受けているのと同じ状況になるので避けましょうということです。日常よく温泉を利用している人にとってはストレスになりにくいので個人差があります。

妊娠中の温泉入浴について

妊娠中の温泉入浴については、時期や体調に応じて注意が必要です。

妊娠初期(〜15週頃まで)

妊娠初期は特に胎児の器官形成が行われる重要な時期です。この時期は以下の点に注意が必要です:

  • 高温浴は避ける: 体温の上昇は胎児に影響を与える可能性があります。
  • 長湯を避ける: 10分程度の短時間にとどめましょう。
  • 医師に相談: 切迫流産の兆候がある場合や持病がある場合は、必ず事前に医師に相談しましょう。

妊娠中期(16〜27週頃)

比較的安定期に入るため、体調が良ければ温泉入浴を楽しむことができる時期です:

  • ぬるめの湯: 38〜39℃程度のぬるめの温泉を選びましょう。
  • 休憩をこまめに: 10分程度の入浴の後は必ず休憩を取りましょう。
  • 水分補給: のぼせや脱水を防ぐため、入浴前後に水分をしっかり摂りましょう。

妊娠後期(28週〜)

お腹が大きくなり、動きにくくなる時期です:

  • 転倒に注意: 浴場では特に滑りやすいので、介助者と一緒に入るのが安心です。
  • 浮力を利用: 浮力で体が軽くなるため、腰痛などの緩和に役立つことがあります。
  • お腹を冷やさない: 湯から出た後は体を冷やさないよう注意しましょう。

温泉の種類と効能

宝塚周辺には様々な温泉があります。当院近くの宝乃湯や川西市の石道温泉はファンがとても多い温泉ですね。

では温泉のそれぞれの特徴と妊活・妊娠中の方へのおすすめポイントをご紹介します。

単純温泉(単純泉)

刺激が少なく、妊婦さんにも比較的安心して入浴できます。神経痛や筋肉痛の緩和に効果があります。

炭酸水素塩泉

「美人の湯」とも呼ばれ、肌をすべすべにする効果があります。穏やかな刺激で、妊娠中の方にもおすすめです。

硫酸塩泉

比較的刺激が少なく、慢性的な皮膚病や関節痛に効果があります。

注意が必要な温泉

  • 硫黄泉(硫化水素泉): 刺激が強いため、妊娠中は短時間の入浴にとどめましょう。
  • 強酸性泉・強アルカリ性泉: 刺激が強いため、妊娠中は避けた方が無難です。
  • ラジウム泉: 微量の放射線を含むため、妊娠中は医師に相談の上で利用しましょう。

東洋医学から見た温泉入浴の効果

東洋医学では、妊活や妊娠には「気」と「血」のバランスが重要とされています。温泉入浴は以下のような東洋医学的効果があります:

  • 気血の巡りを良くする: 温熱効果により体内の気と血の流れが改善します。
  • 冷え性の改善: 多くの不妊の原因とされる「冷え」を改善し、子宮環境を整えます。
  • 腎の気を補う: 腎は生殖と深い関わりがあるとされ、適度な温熱刺激は腎の機能を高めるとされています。

まとめ

妊活中・妊娠中の温泉入浴は、適切な温度や時間を守り、特定の時期(排卵誘発期間、採卵前後、胚移植前後)は避けることで、安全に楽しむことができます。

当院では、妊活中や妊娠中の方に対する鍼灸治療を行っております。温泉入浴と併せて、東洋医学の力で心身の調和を取り戻すお手伝いをさせていただきます。ご質問やご相談がありましたら、お気軽に当院までお問い合わせください。

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