不妊治療での副作用?ホットフラッシュが起こるのはなぜ?



不妊治療を受けている多くの患者さんから「採卵周期になると、急に顔がカーッと赤く熱くなって汗が止まらない」「夜中に寝汗でパジャマがびっしょりになって何度も着替えている」「職場で突然のぼせて、周りの人に心配されてしまう」といった相談をいただきます。これらの症状はホットフラッシュと呼ばれ、更年期だけではなく不妊治療をしている人によく見られる副作用の一つです。

なぜ起こるの?閉経してしまうの?

不妊治療では、自然な月経周期をコントロールし、最適なタイミングで排卵や着床環境を整えるため、複数のホルモン調整薬を使用します。

具体的には、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を一時的に抑制する薬や、急激に増減させる薬を使用することで、体内のホルモンバランスが大きく変動します。エストロゲンは体温調節中枢(視床下部)の働きに深く関わっているため、その急激な変化により自律神経系が混乱し、血管の収縮・拡張のコントロールが不安定になってホットフラッシュが起こります。

これは、更年期に卵巣機能が低下してエストロゲンが減少する際に起こる症状と同じメカニズムです。

ホットフラッシュが出やすい薬と時期の詳細

1. 排卵誘発期(月経3-5日目頃から約1週間)

  • クロミフェン(クロミッド)使用時: 服用開始から3-5日後に症状が現れやすく、特に朝の服用後2-3時間後にピークを迎える方が多い
  • レトロゾール(フェマーラ)使用時: より軽度ですが、服用期間中持続的に症状が続く傾向

2. 採卵前の調整期(生理開始から採卵まで約2-3週間)

  • GnRHアゴニスト(リュープリン、スプレキュアなど)使用時: 開始から1-2週間後に最も強い症状。「フレアアップ現象」により一時的にホルモンが急上昇した後、急降下するため
  • GnRHアンタゴニスト(ガニレスト、セトロタイドなど)使用時: 使用開始翌日から症状が現れ、比較的短期間で軽減

3. 移植準備期(月経開始から移植まで約2-3週間)

  • エストロゲン製剤からプロゲスチン製剤への切り替え時期に症状が現れやすい
  • 特に貼り薬(エストラーナテープ)から内服薬への変更時に症状を感じる方が多い

ホットフラッシュを軽くする具体的なセルフケア

1. 衣服・環境の工夫

  • 具体的な素材選び: 綿100%、リネン、竹繊維などの天然素材を選択。温度がこもらない、冷えと暑さのどちらにもうまく対応できる服が良いです。
  • 重ね着のコツ: カーディガンやストールなど、すぐに着脱できるアイテムを常備
  • 寝具の改善: 接触冷感素材の枕カバーやシーツ、吸湿速乾性の高いパジャマを使用。汗をかくのがわかっている場合は汗を放散し安眠できるもの。
  • 室温管理: エアコンの設定温度を涼しい温度に。扇風機で空気を循環させる

ホットフラッシュは、お薬を使っている間に鍼灸を行っても すぐにゼロになるものではありません。
特に仕事中や外出時など、 「今この瞬間をどう乗り切るか」がつらい方も多いです。
そういった場面では、 汗を抑え込むのではなく 「出ても困らない工夫」をしておくことも一つです。
例えば、
・脇汗や背中の汗を吸収してくれるインナー
・着替えやすく蒸れにくい素材
・服を着たままスポッと引き抜いて脱げる
・前後がつながっているのでズレにくい
こうしたアイテムは、 鍼灸の代わりではありませんが、 気持ちの負担を軽くする助けにな ります。

2. 食事での対策

避けたい食品:

  • コーヒー、紅茶(1日2杯まで)、エナジードリンク
    交感神経を刺激し、血管収縮作用により、血流が不安定になり、その後のリバウンド効果で血管が拡張した際に、ホットフラッシュ症状が誘発される可能性があります。ただしこの部分に関しては個人差が大きいのでやめてみてどうか?をご自身で確認してみてください。
  • アルコール類(特に赤ワイン、日本酒)
  • 唐辛子、わさび、からし、カレーなど香辛料の強い料理

推奨される食品:

  • 大豆製品: 豆腐なら1日1/3丁、納豆なら1パック、豆乳なら200ml
  • その他のイソフラボン含有食品: きな粉、味噌、厚揚げ、油揚げ
  • 身体の熱をとる食材: きゅうり、トマト、なす、すいかなど(適量を常温で)

3. 症状が起きた時の対処法

  • 冷却グッズの活用: 保冷剤をタオルで包んで首筋や手首に当てる
  • 呼吸法: 4秒で吸って、8秒で吐く腹式呼吸を5回繰り返す
  • ツボ押し: 手首の内側にある「神門」というツボを親指で30秒間押す
  • 水分補給: 常温の水を小さなコップ半分程度をゆっくり飲む

4. 生活リズムの改善

  • 睡眠時間: 毎日同じ時間に就寝し、7-8時間の睡眠を確保
  • 適度な運動: ウォーキング30分、ヨガ、ストレッチなど、息が上がらない程度の有酸素運動
  • ストレス管理: 瞑想アプリの活用、好きな音楽を聴く、アロマディフューザーでラベンダーやベルガモットの香りを楽しむ

5. 鍼灸による自律神経調整

鍼灸治療では、特に以下のツボを刺激することで症状の軽減が期待できます:

  • 三陰交: 内くるぶしから指4本分上の骨際
  • 血海: 膝のお皿の内側上端から指3本分上
  • 百会: 頭頂部の中央

実際に当院でも、週1-2回の治療により、約8割の方がホットフラッシュの頻度や強度の軽減を実感されています。

症状の記録をつけてみましょう

ホットフラッシュの改善には、症状のパターンを把握することが大切です。以下の項目を基礎体温表や簡単な日記やスマホのメモに記録してみてください:

  • 症状が起きた時間
  • 継続時間(例:5分間、30分間など)
  • 強度(軽い・中程度・強い・非常に強いの4段階)
  • その時の状況(薬の服用タイミング、食事内容、ストレス状況など)
  • 対処法とその効果

この記録を主治医に見せることで、治療法の調整や追加の対策を相談しやすくなります。
どのお薬で起こっているのかがわかればあらかじめ準備できることも。少し安心できる部分も出てくるのではないでしょうか。

まとめ

ホットフラッシュは不妊治療を受ける女性が経験する一般的な副作用で、多くの場合は治療周期が終われば自然に改善します。ただし過ごしにくくて気分に影響を与えるのでなるべく解消したいものです。一人で悩まず、これらのセルフケア方法を試してみたり、同じような体験をしている方との情報交換も心の支えになります。

症状が日常生活に大きく影響している場合は、我慢せずに主治医に相談しましょう。場合によっては薬の種類や量の調整、漢方薬の併用などで症状を和らげることができます。

当院でのサポートについて

宝塚市のひろせはりきゅう院では、妊活中・不妊治療中の女性特有のお悩みに対応した鍼灸ケアを提供しています。これまで多くの妊活中の方をサポートし、ホットフラッシュをはじめとする治療中の不調軽減の多くの実績もあります。

初回カウンセリングでは、お一人おひとりの症状や治療状況に合わせたオーダーメイドの施術プランをご提案いたします。 お気軽にご相談ください。

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