OHSS(卵巣過剰刺激症候群)とは?症状・ピーク・生理がきたらどうなるかを解説

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)は、不妊治療で使用する排卵誘発剤などによって卵巣が強く刺激され、卵巣が腫れたり、お腹や胸に水がたまったりする状態です。
採卵後に、
「まだお腹がパンパンに張っている」
「急に体重が増えた」
「水分をとっているのに尿が少ない」
「いつまでこの状態が続くの?」
と不安になる方もいらっしゃると思います。
OHSSは軽症で自然に改善していくこともありますが、重症化すると治療や入院が必要になることがあります。
特に妊娠が成立した場合には、症状が長引いたり悪化したりすることがあるため、「採卵後だから仕方がない」と自己判断せず、気になる症状があれば治療を受けている医療機関へ相談してください。
ここでは、OHSSの症状や起こりやすい時期、生理がきたらどうなるのか、妊娠が成立した場合の注意点などを解説します。
OHSSはいつ起こる?採卵後のピークは?
OHSSは、排卵誘発のために卵巣を刺激したあとに起こります。
特にhCGはOHSSの発症に関係しており、排卵や採卵のためにhCGを使用したあと数日して症状が現れることがあります。
OHSSには、採卵前後から比較的早い時期に症状が現れる「早発型」と、妊娠が成立したあとに症状が現れたり強くなったりする「遅発型」があります。
早発型では、hCG投与後4~7日程度で症状が現れることがあります。
一方、妊娠が成立すると身体の中でhCGが増えていくため、採卵直後にはそれほど症状がなかった方でも、その後OHSSの症状が強くなることがあります。
そのため、採卵が終わった直後だけでなく、その後の体調の変化にも注意しておくことが大切です。
OHSSの主な症状
OHSSでは卵巣が腫れ、血管から水分が外へ漏れ出しやすくなることで、さまざまな症状が現れることがあります。
代表的な症状には次のようなものがあります。
・お腹が張る、腹部膨満感がある
・下腹部が痛い
・吐き気がする
・嘔吐する
・短期間で急に体重が増える
・尿の量が減る
・喉が渇く
・息苦しい
・身体がだるい
特に「水分をとっているのに尿が少ない」という場合は注意が必要です。
重症化すると、胸水による呼吸困難、腎機能の低下、血栓症などの重い合併症につながることがあります。
こんな症状があるときは医療機関へ相談してください
採卵後は多少のお腹の張りや違和感が出ることもありますが、「採卵したからこれくらいは普通」と我慢しすぎないことが大切です。
・お腹の張りや痛みが強くなっている
・急激に体重が増えている
・尿の量が明らかに減っている
・吐き気や嘔吐が続く
・息苦しさがある
・強い腹痛がある
・いつもと違う強い体調不良を感じる
このような症状がある場合は、次の受診日まで待たず、不妊治療を受けている医療機関へ相談してください。
OHSSは鍼灸院で診断・治療するものではありません。
当院でも、採卵後の患者さんから強い腹部膨満感や尿量の減少などの相談があった場合には、まず医療機関への相談をお願いしています。
OHSSは生理がきたら治る?
妊娠が成立していない場合、OHSSは生理がくる頃に向かって改善していくことが多いとされています。
これは、OHSSの発症や悪化に関係するhCGなどの影響が低下していくためです。
そのため「生理がきたら楽になった」という方もいます。
ただし、生理がくれば必ずすぐに症状がなくなるという意味ではありません。
症状の程度や卵巣の状態には個人差があります。
また、「生理がくるまで待てば大丈夫」という意味でもありません。
お腹の張りがどんどん強くなる、尿量が減る、急に体重が増える、息苦しいなどの症状がある場合には、生理を待たず医療機関へ相談してください。
OHSSの状態で妊娠が成立したら?
OHSSは、妊娠が成立した場合に症状が長引いたり、悪化したりすることがあります。
妊娠すると、妊娠を維持するために身体の中でhCGというホルモンが増えていきます。
このhCGがOHSSを悪化させる要因になることがあるためです。
そのため、採卵直後は症状が軽くても、妊娠成立後にお腹の張りなどが強くなる場合があります。
妊娠が成立したこと自体がOHSSの重症化を意味するわけではありませんが、OHSSの症状がある状態で妊娠判定が陽性になった場合は、その後の体調の変化をよく観察することが大切です。
症状が強い場合には、医療機関で経過観察や治療が必要になります。
OHSSになりやすい人は?
OHSSは誰にでも起こる可能性がありますが、卵巣刺激に強く反応する方ではリスクが高くなります。
特に、
・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)がある
・AMHが高い
・卵巣刺激によって多くの卵胞が発育している
・採卵できる卵子数が多い
・血中エストラジオール(E2)値が高くなっている
・以前の治療でOHSSになったことがある
などの場合には、OHSSのリスクが高くなることがあります。
OHSSを予防するために病院で行われること
OHSSのリスクが高いと判断された場合には、患者さんの卵巣の状態や治療方法に応じて、医師が卵巣刺激の方法や薬剤を調整します。
例えば、
・卵巣刺激に使用する薬剤や量を調整する
・排卵・卵成熟を促す薬剤を選択する
・OHSSのリスクを下げるための薬を使用する
・採卵後すぐに胚移植をせず、いったん胚を凍結して何周期か腫れがおさまるまでしっかりと休ませてから移植に入る。
などの方法が選択されることがあります。
採卵後すぐに胚移植をせず全胚凍結を行う方法は、妊娠によって増加するhCGの影響をその周期に受けないようにし、OHSSのリスクを抑える目的で選択されることがあります。
治療方法は卵巣の状態や採卵数、ホルモン値などによって異なりますので、担当医の指示に従ってください。
採卵周期に鍼灸院としてできるサポート
OHSSそのものを鍼灸で治療したり、重症化したOHSSに鍼灸で対処したりすることはできません。
OHSSが疑われる症状がある場合には、鍼灸を受けて様子を見るのではなく、まず不妊治療を受けている医療機関へ相談してください。
当院の妊活鍼灸では、OHSSが起きてから対処することを目的とするのではなく、採卵周期だけに限定せず、不妊治療を続けていく身体を普段から整えていくことを大切にしています。
採卵周期では、卵巣刺激が始まってから採卵直前だけ慌てて身体を整えるのではなく、卵胞が育っていく期間(およそ90日間)も含めて身体の状態をみながら施術を行います。
また、不妊治療では採卵だけでなく、その後の移植、妊娠成立、妊娠継続へと治療が続いていきます。
「採卵すること」だけをゴールにせず、その先まで身体がついていける状態を整えていくことも大切だと考えています。
採卵周期の体調について不安がある方へ
採卵周期は、注射や内服、通院、採血、採卵と短期間にさまざまなことが続きます。
「卵胞をしっかり育てたい」
「採卵に向けてできることをしておきたい」
「不妊治療を続けながら身体のコンディションも整えたい」
という方には、治療スケジュールに合わせた妊活鍼灸を行っています。
当院は35歳からの妊活・不妊治療をサポートする女性専門の鍼灸院です。
採卵周期だけでなく、採卵に向けた身体づくりから移植周期、妊娠成立後まで、その時期の身体の状態をみながら施術を行っています。
【妊活鍼灸のご予約・ご相談】
現在の治療状況や採卵・移植の予定に合わせて施術時期をご案内します。
初めての方もLINEからご相談・ご予約いただけます。


