ネットや本・雑誌で調べ物をしていると「血流」という言葉があちこちに。診察の時に先生の口から聞くことはあまりないのにクリニックのホームページのコラムなどでみられるこの「血流」というワード、一体どういうことなのでしょうか?
なぜ血流が良くないといけないのか?
血流にはホルモンや栄養を運ぶ役割があります。子宮や卵巣に必要なホルモンやたっぷりの栄養を届けるには血流がよくなければなりません。
卵胞の発育、着床・妊娠維持に最適な内膜を作るのに「良い血流」は必要不可欠な要素です。
妊娠力アップの食事指導の中にも登場する「血液循環」にまつわるあれこれ
「妊娠しやすい食生活」をちょいちょい見かけますが、その重要性は軽視されがちです。
しかしこの食生活改善の最大のメリットは男性に生活面でのノルマ(タバコやめて欲しいとか運動してとか生活習慣を変えてとか喧嘩になりそうなことを言わなくて済むというところではないかと思います。
そして健康な食生活は妊娠した後、産後、育児中も続けた方がいいことなのでこのタイミングでやっておくと良いのです。
勝手に女性主導で勧めやすいのが食事。
簡単に説明すると
タンパク質
ホルモンも免疫にかかわる物質も血管も筋肉も内臓も身体の各部に栄養を運ぶ役割もタンパク質の摂り方次第で改善する可能性が高いと思われます。
イソフラボンを含むというところから大豆製品をたくさん摂老!という表記もよくみられますが、質・量を考えると肉類を食べる方が効果的です。
オメガ3脂肪酸
今使っている油を良質な油に変えることも大切です。加工食品を選ぶ際にマーガリンやショートニングを油脂に使っているものはできるだけ控えて、家で料理するときに使うものも見直してみましょう。
オメガ3脂肪酸は血流改善、精子運動率の改善に役立つと言われています。
イワシやサバなどの青魚、くるみやアマニ、エゴマなどに含まれています。
ビタミンD
不足すると受精率が下がったり、生まれてくる赤ちゃんの発育不全が起こりやすくなります。
魚やキノコ類などに含まれています。
抗酸化ビタミン、ビタミンA・B・C・E
アンチエイジング(特に卵子・精子には重要!)に効果的です。
食生活については専門ではないので細かな説明は省きます。知りたい人はこちらを読んでみてください。
亜鉛
こちらもアンチエイジングにまつわる栄養素です。女性における卵子の老化予防、受精卵分割の活性化、男性には精子量と運動率のアップが期待できます。
牡蠣や肉、魚介類に含まれています。
鉄分
鉄分は赤血球の材料になります。酸素・栄養を全身に届ける重要な役割を担っています。良質の血液を十分な量生産するには鉄分が必要です。
また、良好な子宮内膜を作るためにも必要です。
仕事が終わるのが遅くて料理ができない方やお昼ご飯を食べる時間がない方は諦めるのではなく、サプリを取り入れるのも一つの方法だと思います。
短期間で身体づくりが必要な方には
何のサプリをどれだけどのように摂るかある程度マニュアル化されているこのような本を読んでみると良いと思います。
一つだけ気にして欲しいのが「食べ過ぎ」。
胃腸に負荷がかかり、消化にエネルギーが消費されてしまい、全身に必要な血流が取られてしまいます。
現在人は運動量に対して必要な量以上に食べています。
痩せすぎでも太り過ぎでも妊娠に悪影響を及ぼします。
肥満が気になる方は腹八分目、おやつは控え目にしてくださいね。
食事以外で血流をよくするには
血流をよくするのに自分で出来ることといえばウォーキングやストレッチ、ヨガ、呼吸法、入浴などの方法があります。
そして自分では出来ないけどとても効果的なのが鍼灸です。必要に応じて相応しい場所に鍼やお灸をすると卵巣や子宮の血流が良くなるのは日本だけでなく世界的に研究で実証されています。
現在、鍼灸を受けている方にも食生活や運動習慣の見直しを一緒にやってほしいと切実に願っています。
なぜなら1つは時間は有限であること、そしてもう1つは妊活というしんどい時間は短い方がいいなと思うからです。
鍼灸で血流が良くなっても元々血流が悪くなる習慣を持って過ごされていると効果は十分に発揮できなかったり消耗していってしまいます。
ウォーキングくらいの軽い運動を繰り返すと疲れにくい身体にもなります。血流アップにもストレス解消にもウォーキングは良いです。
いいって言っても時間がない、、、こんなふうに歩くのが楽しくなるようないい景色の道もない、、、私もそう思っておりました。しかし先月たまたま通勤に使っている自転車がパンクして片道30分くらいの早歩きで移動しないといけない日々が1週間ほど続きました。
最初はしんどかったけど、帰宅後夕飯の仕度をするパワーが0になって困ってしまいましたけど、すぐ慣れて体調いいなと感じる日が多くなりました。
脳血流がよくなることで気持ちの安定にもつながります。
不妊治療で色々迷ったら血流を意識してみてくださいね。