「排卵していないのに黄体化しているって言われました。」と患者さん。
黄体化未破裂卵胞という無排卵症の一種でもあるこの問題、どうして起こるのでしょうか?
正常に妊娠できる女性でも5~10%の確率で起こり得るのではっきりとした原因は不明ですがこのような場合に多いと言われています。
- 手術などによる骨盤内の癒着
- クラミジア感染症による卵管の癒着
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
- 卵巣嚢腫・子宮内膜症
- 排卵期の鎮痛剤使用 痛みの物質であるプロスタグランジンは排卵誘発にも重要な物質です。痛みを抑えるために鎮痛剤(ボルタレン・ロキソニンなど)を続けて使ってしまうと排卵壁の破壊も抑えられてしまうため排卵が起こらなくなる可能性があります。
- 高プロラクチン血症 排卵の引き金になるLHサージの上昇が抑えられてしまうため
不妊の女性には高頻度で起こることもあるようです。
黄体化未破裂卵胞について鍼灸できること
東洋医学的には五臓のうちの「腎」の力が低下しているためそれを引き上げるような施術をします。
高プロラクチン血症についてはホルモンを正常にい働かせるべく自律神経を整える目的で行います。
血行不良である「瘀血(おけつ)」の滞りを解いて、血流を改善し水分代謝がスムーズにできるように整えていきます。
痛み止めを飲まなくてよいよう頭痛などの痛みへのアプローチを行います。
排卵後にも排卵したかどうかを診察してくれる病院を選びましょう
黄体化未破裂卵胞というのが厄介な点は名前でもわかる通り排卵していないのに黄体化するという点です。黄体化するので体温は上がり二層になるので診察を受けないと排卵していないことに気付きません。
排卵期でないときに排卵することもあり生理がいつもより早かったり遅かったりすることもあります。
排卵しなかった卵胞が自然に吸収されればよいのですがそうでない場合は、その周期に妊娠する可能性はほとんどなく次の周期はお休みしないといけないので貴重な機会を2周期分も無駄にしてしまうことになります。
自分で気づくのが難しい症状なので、やはり病院選びは慎重に行うべきと言えます。
もし不妊治療ができる時間や回数にリミットがあるのなら、不妊専門クリニックで受診することをお勧めします。