毎年新生活が始まるこの季節に思い出すこと。
鍼灸師の仕事をしようと思ったきっかけについてです。
30歳を目前とした頃、この先このままの仕事(事務職)を続けていくかどうかぼんやり考え始めたころ、祖父が亡くなりました。
沢山病気をしたのに90歳まで頑張って長生きした祖父。
すごくまじめな性格で働きまくっていました。
日本全国出張三昧、大病を患い60代で目が見えなくなってしまいました。
足が弱ったら終わり、そう強く考えていた祖父、目が見えないにもかかわらず毎日マンションの10階から1階まで階段で往復していました。
自分の身体を甘やかさずに(お酒は大好きだったけど。。。)すごく大切にしていた祖父が長年通っていたのが「鍼」でした。ほぼルーティンワーク。
祖父が亡くなった時にふと、「鍼」ってどんなものだろうかという疑問に駆られて鍼灸院へ。
祖父の元気の源は「鍼」だったんじゃないかなっていうのも確かめたくて。
ツボにピシッと文字通りピンポイントで鍼を打ってもらい、今までになく身体が楽になりました。
鍼灸師ってすごい!私も勉強したい!
と思い、専門学校の説明会に行きました。
しかし、、、単なる思いつきで「鍼灸師」という職業について続かなかったらどうしよう?という不安もありました。やっぱ違うわ~って思ってしまうんじゃないかって。
なので1年間はお金を貯めながら考える期間にしました。
そしてその次の春に専門学校に入学しました。
夜間部に通いながら昼は整骨院で働く生活はきつかったです。
〇ッサージが得意でないので人気なかったですけど、30代ともなれば体力的に…。
鍼灸師は最低でも3年養成校で勉強して国家試験を受ける権限が与えられます。
西洋医学と東洋医学どちらも国家試験に出題されます。実技も学校で毎回定期試験があります。
30代、記憶力は若い時と違い一夜漬けでは覚えられないことに愕然としました。
それでも久しぶりの「勉強」や「学校」は楽しかったです。
国家試験に晴れて合格し、鍼灸師になれた時は本当にうれしかったです。
大学受験は複数校受けられるけど、国家試験は1年に1回だけ。
プレッシャーが違いました。
沢山の仕事を教わった整骨院では患者さんが元気になってどんどん活動的になっていった場面を多く目にしました。
身体が元気になれば心も元気になる、そのお手伝いができる鍼灸師という仕事を続けていきたいという気持ち、そのころから今まで変わらず強く持っています。
ストレスがたくさんある毎日、症状を軽減して立ち向かう気力をつけてくれる。
そんな鍼灸が大好きです。